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【脂漏性皮膚炎】23年間の闘いとそこから得たもの

【脂漏性皮膚炎】23年間の闘いとそこから得たもの

こんにちは。
ルクレクサ®の鈴木です。

今回は、私が脂漏性皮膚炎で長期間悩み続けたことによって得たものについて記事を書いていきます。
脂漏性皮膚炎完治に向けて毎日頑張っている方のお役に立てば嬉しいです。

1.脂漏性皮膚炎と言われた時



脂漏性皮膚炎と皮膚科で初めて診断されたのは高校3年生(17歳)の頃でした。
最初は顔全体の赤みから始まりました。
次第に、眉間と小鼻の皮膚がカサカサしてきて、フケのようにポロポロと皮膚がはがれ落ちるようになりました。
この時期は大量のニキビやヒゲにも悩んでいて人生のどん底でした。

化粧品や生活習慣に気をつけるも一向に改善せず、『自分ではどうしようもできない』と思い、近所の皮膚科を受診しました。
そこで「脂漏性皮膚炎」という皮膚疾患について知ることになります。

その時医師からは
「これは10年は治らないよ」
と言われました。

ショックでした。

『この状態が10年も続くっていうのか。何とかできないだろうか。』
そこから脂漏性皮膚炎との長い、長い闘いが始まりました。

2.脂漏性皮膚炎との闘い



最初に使った薬はニゾラールクリームでした。
もう23年前の話ですが、この当時から脂漏性皮膚炎の原因のひとつに皮膚常在菌のマラセチア菌が関係していることが言われていました。

『これで治るなら・・・』
と期待していましたが思うような結果は出ませんでした。
特に眉間の皮むけ(鱗屑 りんせつ)がひどかったです。
ピンセットではがすと一時的に皮膚がキレイになるものの、1週間もしない内に元通り。

そこで試したのが亜鉛華単軟膏(あえんかたんなんこう)です。
炎症を抑える効果を期待して使いました。

しかし、これが大失敗となりました。
こちらは白い軟膏で、一度塗るとなかなか落とすことができず、皮膚が荒れているところが白っぽく残ってしまいました。
この白残りが気になって仕方なかったです。
効果も感じられず、すぐに断念することになります。

他にステロイド薬の使用もしました。
確かに使っている時は赤みが減るのですが、やめてしまうと元通りに。
また医師の指示もあいまいで、ステロイドのデメリットに対する説明も不足していました。
あのまま使い続けていたら・・・と思うとゾッとします。
病院、医師選びは大事ですね。

3.始まった美容ラッシュ


高校を卒業して大学生になるとバイトを掛け持ちして美容代を貯めていきました。
毎年100万円以上使っていました。

・ケミカルピーリング
・ビタミンCイオン導入
・漢方薬
・プラセンタ注射
・PDT(フォトダイナミックセラピー)
※皮脂を抑えるために受けました
・ドクターズコスメ(ビタミンC誘導体)
・エステ(体質改善、サプリメント)
など良さそうなものは片っ端から受けていきました。

同時に、
・食事
・運動
・睡眠
などの生活習慣改善にも取り組みました。

肌の状態は、大学4年間で改善しませんでした。
むしろ、顔に色々やり過ぎて悪化していたようにも感じます。

4.脂漏性皮膚炎悪化につながる要因


ここで、現在までにわかっている悪化要因についてまとめていきます。
悪化要因を把握し、それを減らすことは、症状改善のために大いに役立ちます。

こちらに関しては個人差があると思います。
あくまで私の23年間の追跡調査による結果です。

〈悪化要因〉
・睡眠不足
・辛いもの(とうがらし、わさびなど)
・スギ花粉(毎年スギ花粉のピーク時に悪化傾向)
・夜の暴飲暴食
・皮膚の乾燥
・摩擦
・ピーリング

今は辛いものを控えるようにしています。
辛いものは比較的好きなので残念ですが、肌のために制限しています。

私は美容の仕事をしているため、仕事上外見を整える必要があります。
だから、面倒な生活習慣にも取り組むモチベーションが湧きます。

しかし、多くの場合、仕事の制約などもないはずです。
そういった場合は日々の地道な習慣改善に対する強制力がなく、どうしても後回しになってしまいがちです。そのため、続けるのが大変だと思います。

私が実際にお店でお客様を対応する場合は、まずお話をよく聞きます。
その上で
「なぜ肌をキレイにしたいのか?」
という理由、動機を明確にしていくことを重視します。

それがハッキリすれば生活習慣改善に取り組む意味がわかります。
結果的に腰をすえて取り組むことができて、良い結果が出やすくなります。

5.現在の取り組み


今は、最初の診断から23年がたちました。
顔の赤みも減り、眉間や小鼻の皮むけ(鱗屑)は全く出ない状態まで改善しました。
しかし、睡眠不足が続いた時、精神的な緊張が強い時、スギ花粉のピーク時は症状が出る時があります。
特に頭皮のかゆみ、フケという形で出やすいです。

現在は私のため、というよりもご相談に来られるお客様のために皮膚科での治療を受けています。
その実際の流れを紹介します。

〈皮膚科での治療〉
1回目
ニキビダニ(デモデックス)の可能性があるかもしれない、と思い相談。

ニキビダニではない、という診断。

処方薬
・ビーソフテンクリーム
保湿クリームです。

・スピラゾン
外用のステロイド薬です。
強さはミディアム。
比較的穏やかな強さです。

長期での使用は副作用のおそれがあるため不可。
2週間のみ朝晩の使用。
と説明がありました。

・ビブラマイシン
内服の抗菌薬。
こちらも長期服用は副作用のおそれがあるため、2週間のみ。
最初の日は1日2回。
その後は1日1回夕食後服用しました。

ほぼ医師の指示通り2週間使用。
肌の赤みはおさまってきました。
ただ、頭皮にニキビが増えてきたような感じがあります。
その後2回目の来院。

2回目
ステロイド薬、抗菌薬ビブラマイシンの使用は中止。

処方薬
・ビーソフテンクリーム
保湿

・ニゾラールクリーム
抗真菌薬
マラセチア菌を抑えるため
気になる部分に使用

・タクロリムス(プロトピック)軟膏
非ステロイド
顔の赤みを抑えるため

しっかりと塗った状態で2~3週間の使用を提案されました。
副作用で、顔の刺激感、ほてり、かゆみが指摘されましたが、ほとんど気になりませんでした。
こちらは赤みが強い方は反応も強く出ると思います。
私の場合は、ほとんど肌荒れや赤みがない状態で使っているため刺激を感じにくかったと考えています。

〈使用の順番〉
1)ビーソフテンクリーム
2)ニゾラールクリーム
3)タクロリムス(プロトピック)軟膏

医師に質問したところ、塗る順番は
全体に塗るものを先に。
部分的に塗るものを後に。
が基本原則だと言われました。

そのため、上記の順番にしています。
ちょっとベトベトするため、ニゾラールクリームまで塗ったら数分置いて、最後の軟膏を塗るようにしています。

医師の指示を守り、コツコツ続けた結果、今はさらに状態が良くなりました。
ただ、
『薬をやめてしまったらどうなるだろうか』
という疑問が残ります。
薬以外にできるケアについては後ほど解説していきます。

医師の指示を守ってケアを続けること。
これは今でこそできますが、言われたことをしっかり守るのは多くの方にとって難しいと思います。
『本当にこの薬で効果が出るのだろうか』という不安。
『他にもっと速く楽に効果が出る方法がある気がする』という焦り。
こういった思いから、治療を途中で断念してしまうこともあります。
過去の私はよくありました。

長期で続けるのは口で言うほど簡単ではなく、メンタルコントロールも重要になってきます。
また、正しい基本知識をつけておくことも大切です。

「脂漏性皮膚炎が3日で治る方法」
「劇的に脂漏性皮膚炎が改善したコツ」
などの情報をSNSなどで見かけると、とても魅力的に見えます。
でも、こういったものは100%に近い確率でウソだと思います。

自分の肌状態にあった方法が選べるように少しずつでも勉強を続けていきたいですね。

次に、私が実際に対応したお客様の改善例をいくつか挙げます。

6.お客様の改善例



1)20代女性

小鼻の赤みとかさつきが中学生の頃から気になっていたようです。
肌の乾燥だと思い、クリームで念入りに保湿されていました。

見た限り脂漏性皮膚炎の疑いがあると感じたため、クリームの使用量を減らすことを提案。
あわせて皮膚炎、皮脂分泌量のコントロールのため、ビタミンB群の摂取をすすめました。

まずはドラッグストアで手に入るチョコラBBプラスから始めて頂きました。
・チョコラBBプラス

化粧品は、当院で推奨しているフェース化粧品の脂漏性皮膚炎対策ケアを使用。
また、月2回程度来店して頂きました。

その結果、10年近く悩んでいた小鼻の赤みが6カ月程度でほとんど気にならなくなりました。
その後に控えていた結婚式もキレイな状態で迎えることができました。

2)30代女性

顔の赤みと頭皮のフケ

皮膚科で処方された薬を使い続けるも満足に改善されず悩んでいらっしゃいました。

詳しく話を聞いていくと、食事に問題があるような気がしてきました。

例えば、
3食シュークリームを食べている時がある。
シリアルさえ食べておけば栄養バランスに問題はない。

このような発言が出ていました。
皆さんはどう思いますか?

長年肌トラブルで悩んでらっしゃる方の中には、こういった方は意外に多いです。
明らかに食生活が乱れています。

そのため、時間はかかりますが、基本的な食事、栄養素についての話をしながら、食習慣の改善に取り組むことにしました。

また、足の冷えや、呼吸リズムの乱れもあったため、そちらの修正も行いました。

4カ月程すると、顔の赤み、頭皮のフケは減ってきました。
食生活も大きく改善しました。

今までは頭皮のフケが気になって美容室に行くのも抵抗があったそうですが、頭皮状態が改善してからは、美容室に行くのも楽しみになったようです。
現在は、かねてからの夢だった看護師になるために、仕事を退職し、看護大学に通っています。

7.薬以外に私たちができること


ここでは23年間でわかった脂漏性皮膚炎改善法について紹介します。

1)食事
辛いものは悪化要因になる可能性があるため控えたいです。
砂糖が多いお菓子、ジュースは減らす、もしくはやめましょう。

豆類、ごま、わかめ(海藻)、野菜、魚、しいたけ(キノコ)、いも
を意識して食べる。
頭文字をとると「まごわやさしい」になります。
こうすると覚えやすいです。

2)冷え
顔や頭皮に赤みが出る場合、手足に冷えがあることが多いです。
ウォーキング、入浴、体を冷やさないようにして、冷え対策をすることが大事です。

3)真面目で神経質で優しい
脂漏性皮膚炎やニキビで悩む方は精神的に弱っていることが多いです。
これは、元々の性格だったのか、悩みが精神にダメージを与えて性格が変わってしまったのか。
ハッキリした原因はわかりませんが、性格に決まったパターンがあるように思います。

・人に気を使ってしまい疲れやすい。
・悲観的に考え過ぎて不安や心配が尽きない。
・物事を0か100で考えてしまい、少し肌がキレイになっても『これぐらい変わっただけじゃ意味がない』と小さな進歩を認められない。

このような傾向が見られます。
こういった場合は、周りとの比較を減らし、自分の小さな成長に目を向ける考え方を身につけることが改善のきっかけにつながります。

4)呼吸
呼吸が口呼吸となっていて、浅く速いリズムになっている。
このような方は鼻呼吸に変えることで体質や肌質が変わることが期待できます。

当院では、福岡のみらいクリニック今井院長が開発した「あいうべ体操」をオススメしています。

・あいうべ体操

5)信頼できる皮膚科を探す
皮膚科によって診断や処方薬も変わります。
近所に良い皮膚科、先生がいれば運が良いですが、ほとんどの場合そうではありません。
自分に合った皮膚科を見つけることは大変ですが、見つけることができれば人生を大きく変えてくれます。
私も20院以上のクリニックに行きました。
お陰で良し悪しを見分ける目が養われました。

8.脂漏性皮膚炎のベストスキンケア


私はこれまでに化粧品に500万円以上使ってきました。
有名ブランド、ドクターズコスメ、ドラッグストアで販売されているもの、数多く使ってきました。
その中で一番良かったのが「FAITH(フェース化粧品)」でした。

こちらは、私がコンサルティングをしていたエステサロンの店長がすすめてくれたのが出会いのきっかけです。
私自身は、化粧品で肌状態が大きく改善した例がなかったので、最初は疑っていました。

化粧品を全く使わない肌断食にも挑戦したことがあります。
残念ながら、かえって肌荒れがひどくなり断念しました。

フェース化粧品をすすめられても自分で使うことはありませんでした。
それが、私が東京から静岡へ自分のお店を移転リニューアルさせた時に、エステサロンの店長からプレゼントでフェース化粧品の一式をもらいました。

『これはさすがに化粧品を使って感想を言わなきゃ失礼だ』
そう思い、恐る恐る化粧品を使ってみました。

これが私の人生を変えることになります。

長年悩んでいた脂漏性皮膚炎、ニキビの状態が明らかに良い方向に進んでいきました。
それまで18年近く悩んでいた眉間の鱗屑も2カ月程で出なくなりました。
こんな感動は今までになく、私は個人的にフェース化粧品の研究を始めていきました。

1年半程調べていき「これは間違いない!」と判断し、当院の指定化粧品として取り扱うことを決めました。

フェース化粧品は強力な有効成分というよりも、安全に使えることを重視しています。
敏感な肌においては、作用が強いものよりも、無難に使い続けられることが大事になってきます。

その後、6年程、自分自身も使い続け、多くのお客様にも使って頂く中で、良い結果が出やすいことがわかってきました。
今では肌質改善やシミ、そばかす、肝斑ケアのために使用されるお客様も増えています。

フェース化粧品は、クリニック、サロンのみで取り扱っているプロ用化粧品です。
もし、ご購入を希望される方は以下の記事をご参考にして下さい。
LINEでの個別相談も受け付けております。

・ルクレクサのホームエステプログラム【長年ニキビ・脂漏性皮膚炎でお悩みの方に】

・脂漏性皮膚炎ケアに対する化粧品の選び方|500万かけて検証

9.23年たって今思うこと


脂漏性皮膚炎と診断されてから23年以上がたちました。

医師からは
「10年以上治らない」
と言われました。

実際は10年以上付き合うことに。
そして、今も時々症状が出ることがあります。
ただ、悩むことは激減しました。

この長い時間を通して、脂漏性皮膚炎、薬、美容医療、スキンケア、食事、運動、呼吸、冷えなどの知識が増え、理解が深まりました。

また、同じように悩む方のお役にも立っているのではないか、と思っています。

そこで思うのは、

脂漏性皮膚炎(肌トラブル)にとらわれ過ぎて、人生を犠牲にするのはもったいない

ということです。

確かに見た目の変化は辛く苦しいです。

ただ、悩んでいても状況が良くなることはありません。
一度きりの人生。
目先の悩みにとらわれないで、毎日を楽しみたいものです。

最近YouTubeで
「トリーチャーコリンズ症候群」
という病気で顔面が大きく変化した男性について知りました。

【トリーチャーコリンズ症候群】“見た目問題”石田裕貴さんが視線を浴びながらも街を歩く理由

明らかに普通とは違う見た目。
でも、石田さんは堂々と人前に出て毅然(きぜん)と振る舞っていました。

『なんと立派な人だろう』
と私は衝撃を受けました。

私だったら恐くて外に出られないかもしれません。

世の中には、遺伝的に肌がキレイな人もいます。

私はよく
『自分よりも食生活が乱れているのに。美容や健康にも気をつけていないのに、なぜあの人は肌がキレイなのか。』
と運命を呪っていました。

しかし、40代となった今は、
「肌がキレイですね」
「40代ではなく、20代後半に見えます」
とほめられることが圧倒的に増えました。

これは、今まで悔しい思いをしながらも、コツコツとケアを続けてきたお陰だと思っています。
きっと脂漏性皮膚炎で悩まなければ、苦労もせず、真剣に考える機会もなく、普通に老けていたと思います。

ある一定時期だけ見ると不幸に思えることが、人生を良くしてくれることもあります。

今、脂漏性皮膚炎で悩む方にとっては辛い日々が続いているかと思います。
しかし、楽しいことだってあります。
だからこそ見える世界があります。
同じように悩む人の心の痛みに共感できるようになります。
その日々の積み重ねが人間力を高めています。

今回は私の23年間の経験で得た知恵について書きました。
何かのお役に立てば幸いです。

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


【 このブログを書いた人 】
鈴木健太
ルクレクサ代表

スポーツインストラクターを目指すも、
高校3年生の頃に、
ニキビ、脂漏性皮膚炎、ヒゲ
で悩み、美容に興味を持つ。

大学では、スポーツ科学、健康について学ぶ。
遊びを犠牲にしてバイト漬けの日々。
外見の悩みを解消するために大学4年間で使った金額は400万以上。
その後も健康や美容に5000万以上投資する。

机上の空論ではなく、実体験、現場の声をベースにした発信が注目を集めている。
日本全国からのお問い合わせ、ご予約も増えている。
顔の黄金比率に整えるトリートメントを駆使し、
改善が難しいシワのケア、老化予防、若返りを希望される方の対応を日々している。

自らも、
重症ニキビ、ニキビ跡、脂漏性皮膚炎などの肌トラブル。
30代前半での老け込み。
などで深く悩み続けた経験がある。

同じように悩む人の役に立てる志事をしたい
と思い、大学卒業後、男性では珍しいエステティシャンに。
大手エステで7年働き、エステの本場パリにエステ留学。

帰国後、2013年9月に独立。
1年目は、大手企業のやり方を真似て、
自分のやりたいことをやって大失敗。
夢を叶えたつもりが地獄へ落ちる。

失敗を認め、お客様の要望に応えるために改善を続ける。
現在は、
・スポーツ
・エステ
・整体
・鍼灸マッサージ
を応用した独自メソッドで、
顔だけでなく、心と身体を調律する「黄金律トリートメント」
を静岡にて提供している。

◎トータルエステティックアドバイザー
◎鍼灸師
◎あん摩マッサージ指圧師
◎認定整体師
◎機能訓練指導員

2012エステティックコンペティション 東海地区代表 日本3位
全日本鍼灸学会賞
鬼木医療学園賞
パリエステサロンにて小顔形成術、痩身技術開発
ひばり薬局専門相談員(東洋医学、美容)
株式会社ふたがしら外部講師

「美容鍼灸 ルクレクサ」

静岡県静岡市葵区鷹匠
ルクレクサ(静岡美容鍼灸)