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打席に立つこと 〈第62号〉

フランス滞在中は、インターネットでイチロー選手の近況を見ていました。
2013年当時、イチロー選手はヤンキースでプレーしていました。
私は、2月から、パリにあるサロンで働き始め、語学力の問題を抱えながら、
できることを全力でやろう、とがむしゃらに過ごしていました。

ホームステイ先での会話、語学学校での授業、仕事での応対。
まず、相手が何を言っているのか完全にわからない。
自分の伝えたいことがうまく話せない。単語を知らない。
だから、何とかしようと必死で勉強。
でも、自分の都合通りにすぐ語学力が上がるわけではない。
『うまくいかないな』
という思いと、それでも、できたことを評価しようとする思い。
自分で自分を励ましながら、1日、1日やっていたような感じでした。

唯一の救いは、この頃からスタートした大リーグのオープン戦。
イチロー選手の話題もインターネットニュースで見られるようになりました。
『イチロー選手は、今日はどんな思いで打席に立っているのだろうか?』
『外国生活でも苦労したことは多かっただろうな』
と思いを馳せていました。

『イチロー選手もアメリカで打席に立っている。俺もここでベストを尽くすぞ』
と思い、新鮮な気持ちに戻り、フランス語の勉強、仕事、独立の準備に取り組むことができました。
いつだって、イチロー選手は私にとっての道しるべとなっています。
目標としてではなく、同じ土俵に上がることを念頭に、今も頑張ることができています。

 


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